富久心 もろはく(椎名酒造・日立市)
本醸造の活性にごり酒。
季節商品ってやつで。
このタイプの酒をリリースする蔵が茨城においても多いように感じてる。
何かそれって、あらゆるミュージシャンがさ。
こぞってクリスマス・ソングを発表するみたいな、そんなノリっぽくて結構面白い。
飲み比べるのも楽しいし。
富久心のもろはく。
僕の中では、山下達郎のクリスマスイブ、またはワムのラストクリスマス的なにごり酒オブ茨酒である。
まー、別にマライヤ・キャリーでもいいんだけど。
そういう曲って定番を通り越して、もはや季節の一部になってるっつうか。
冬になって寒くなると、雨が夜更け過ぎに雪へと変わるように。
もろはくを夜更けまで呑むっつうのが、自然の摂理になってるっていう。
って言うと、もう四半世紀以上そういう習慣なんだろうな、っていう印象をもたらすけど。
実際は去年からそうなっただけで、たかだか2年連続で呑んでるだけに過ぎない。
が、帰納的に言えば、来年も再来年もこれからもずっともろはく呑むからさ。
だいそれたことは言ってないつもりである。
まー、いいや。
去年この酒を初めて呑んで、ちくしょうなんで今まで知らなかったんだろう!
って思ったなー。
しかも珍しく夫婦でハマった酒で。
普段酒呑まないうちのかみさんが、初めて積極的に日本酒呑んでるからびっくりした。
そんなわけで、3本ぐらい自宅用で呑んだかな?
まー、それぐらい旨かったってわけである。
この酒はきっちり冷やしたほうが好きだ。
にごりなわりには、きっちり冷やせばかなりさっぱりして旨い。
そして抜群のとろとろ感。
とにかくオリがたくさん入っていて、超濃い目の飲むヨーグルトって感じ。
いや、違うな。
プレーンヨーグルトをかき混ぜて飲むっていうとろとろさ。
フレーバーは爽やかなリンゴっぽい香りと控えめな甘酒風味があいまって。
甘味も程よく抑えられてるからしつこくない。
このバランスのよさがこの酒の真骨頂だろう。
とろとろにごり酒なのにわりとスッキリ。
たまらないね。
ちなみにガス抜きのためにキャップに穴が空いている。
そのためかしゅわしゅわ感はあまりない。
炭酸は閉じ込めずに逃がしてる感じ。
富久心は茨城の県北地域(海沿い)ではメジャーな酒だ。
地元に愛されてる、だいぶ。
日立に住んでるかみさんの叔父さんに至っては、毎年ケース買いしてる。
年末年始の挨拶に来た人に、もろはく持たせるためにだ。
当然叔父さんも呑むだろうけど。
で、もろはくもらって飲みきれなくて困るのが、義理のお義父さんっていう。
あんまり呑まない人だから。
ので、うちに持ってきて頂きたい。
ぜひ。
こういうこと言うと、またー!ってなるけど。
十四代の本丸と富久心のもろはくどっち持ってく?ってなったら、迷わずもろはく貰ってくね。
まぁ、酒屋か呑み屋じゃないかぎり、十四代をケースで置いてあるウチなんてあり得ないけど。
【メモ】
◇香りの高さ:控 ・・★・・ 高
◇味の濃淡さ:淡 ・・★・・ 濃
◇甘味:★★
◇とろとろ感:★★★★★
◇しゅわしゅわ感:なし
◇含み香:爽やかリンゴ系&甘酒風味
夫婦そろって好きなにごり酒。