稲里 純米 「月」(磯蔵酒造・笠間市)
染み入るような旨さがある。
呑むほどに、引き込まれていく。
山呑んだときもそう思ったけど、
月もマジで最高だ。
山だの月だの、中島敦みたいだが、
どっちも稲里の純米酒。
稲里 純米 「山」(磯蔵酒造・笠間市) - 茨城の地酒を呑む
簡単に言えば、淡麗辛口か。
香り控えめ、味すっきりめ。
この辺が実にライスィ。
そんで、まろやかで。
とても洗練された味わい。
冷酒だと綺麗でキリッとした味わい。
三日月のようなイメージ。
冷やだと、本当に月の様な、
静けさの中に深い味わいがある。
燗にするなら、ぬる燗だ。
酒の旨味が柔らかく膨らみ、
まるで満月みたいな感じ。
なんか、結構オツなこと言ったな。
本当にいい酒呑んだ。
ちなみに、
どんな料理にも合うオールラウンダー。
この酒もすごい。
磯蔵さんの新酒を祝う会。
開催決定っ!第8回 ちょっ蔵新酒を祝う会 | 磯蔵酒造ブログ【蔵人日記】
まー、これに向けて、だ。
今現在、
稲里の定番ラインナップを予習中。
さて、この「月」についてウンチクを。
「純米酒」という表示だが、
50%精米だから純米大吟醸表示もあり。
旭酒造なら、間違いなく純米大吟醸だろう。
が、敢えて「純米酒」と銘打っている。
のが、磯蔵さんの流儀。
磯蔵さんのこの姿勢は、すごく共感できる。
純米吟醸と銘打つと、
特別な酒っつう雰囲気が漂うのは否めない。
特に、吟醸っていう言葉がそうさせる。
しかも、呑む前からさ、
香りムンムン、フルーティ。
そんな期待すら持つだろう。
それは、一般的に純米吟醸酒が、さ。
フルーティで、かつ呑み口良さげな、
高級っぽい酒質が多いって話で。
けど、それって一般論に過ぎなくて、
そういう傾向にあるだけで、だ。
もちろん、フルーティじゃない、さ。
純米吟醸も多々あるわけだけど。
イメージの問題っつうか。
落ち着いた雰囲気の純米吟醸呑むと、
「あれ?純米吟醸なのになー?」
なーんて気にもなる、っつうね。
磯蔵酒造は誠実である。
「月」に余計なイメージを持たせない。
実際、派手な吟醸香はしないし、
フルーティな印象は持たない。
あくまで、純米酒というイメージ。
しかし、ただの純米酒ではない。
とても味わいは綺麗で洗練されている。
呑むほどに、
「月」が持つ味わいに、だ。
すっかり引き込まれていく。
稲里の「月」は茨城の至宝だ。
またひとついい酒を見つけた。
また、名前がいいんだよな。
「月」→「ツキ」
なんか運が巡ってきそうじゃん?
縁起モンだなって。
実際、月呑んでから、
ツイてるなー、ってこともあり。
験担ぎにはもってこいだな、と。
【メモ】
◇香りの高さ:控 ・★・・・ 高
◇味の濃淡さ:淡 ★・・・・ 濃
◇甘味:★
◇含み香:まろやかライスィな味わい
茨城の至宝。