一品 大吟醸 嚼梅(吉久保酒造・水戸市)
一品を醸す吉久保さんは。
去年に引き続き。
今年の新酒鑑評会で。
めでたく金賞を受賞され。
2年連続の受賞もさることながら。
鈴木杜氏へと代替わりしても。
盤石だねー、なんて。
いやーめでたしめでたし、だ。
この前、両親に孫の顔を見せに行ったら。
親父さんがおもむろに。
桐箱持ち出したしたりするもんだから。
おっと、親孝行はするもんだな。
なんて。
悪いねー、なーんつって。
箱見たら、さ。
おいおい去年の金賞受賞酒じゃんか!
ついてるなー、っつう。
なにせ、先代佐々木杜氏さんが。
醸した最後の出品酒を。
運良く呑むことができたから。
いや、ほんっとありがたい。
この嚼梅は。
親父さんがどなたかに頂いたとかで。
もうほんとうにね。
すいません、ね。
何もしてない俺まで呑んじまって。
ありがとうございます。
さて。
優しい口当たりと。
大吟醸らしい磨かれた味わい。
綺麗な香りが心地よく。
絶妙な香りと味のバランス。
とても旨い酒だった。
嫌味な大吟醸にありがちな。
香りプンプン系ではなく。
落ち着きが在る感じが。
とてもぐっとくる。
水戸は梅の街で。
その辺の趣が。
まじで漢詩の世界感だから。
嚼梅ってのは、さ。
本当に水戸っぽい言葉だなー。
なーんて、感心しつつ。
詩にはほど遠い、俗な親子は。
あっというまに酒を空にしちまった。
だって、ウメーもんだから、さ。
三百六十日
日日酔如泥
呑みっぷりだけは詩になるか?
どっちにしても格好悪いけどな。
さて、こうなると。
新杜氏の醸した嚼梅ものみてーな、と。
間違いなくウメーだろうなー。
常に我が家の冷蔵庫には若干の余裕が。
心よりお待ち申し上げております。
【メモ】
◇香りの高さ:穏 ・・★・・ 華
◇味の濃淡さ:淡 ・★・・・ 濃
◇甘辛の印象:辛 ・★・・・ 甘
◇含み香:リンゴ様の吟醸香
大吟醸らしい味わいではあるが、落ち着きもありつつ。香りだけが先行せず、バランスの整った酒。さすが、の一言。