霧筑波 特別純米 本生(浦里酒造・つくば市)
霧筑波を吞む。
縁起でもない話で悪いんだけども、さ。
ちょっと前にうちの婆さんが亡くなって。
まー、葬式で親戚連中が集まって。
とにかく、昼間は弔問客をもてなしたり。
なんだかんだとやることやって。
夜はっていうと。
お疲れ、じゃ酒呑むかみたいな。
酒なんか吞まなかった婆さんには。
悪いけど、そんなもんで。
供養になったかどうかは分からないが。
俺はかなり清められた感じはする。
葬式も済んだあとに。
娘の誕生パーティとかって。
娘の爺ちゃん婆ちゃん。
つまりは俺の両親と一緒に、さ。
酒呑んで。
まー、当然呑む酒は。
霧筑波、だろ?
珍しく。
ひと月に2本特別純米本生呑んだ。
冠婚葬祭と家族の記念日には。
霧筑波って決めている。
いつ呑んでも変わらぬ旨さ。
凡ゆるものが削ぎ落とされて。
全く無駄のない完璧な彫刻のような。
そんな印象。
さらに言えば。
粋な演奏をするピアノ・トリオのように。
最小限からの最大値が引き出されている。
この静かな味わいの中には。
確かに美しさが存在している。
ん?
あー、よーするにだ。
うめーってことだ(笑)
そういや。
親戚連中なんかは、さ。
茨城にだ。
こんなうめー酒なんかあったんだー。
なんて関心してた。
まー、のびしろ一番だからな。
っていう(笑)
淡麗で辛口な味わいの中に。
小川酵母が醸す。
柔らかでたおやかな吟醸香。
死ぬ前に一杯だけ吞ませてやる。
って言われたら。
間違いなく俺はこの酒を選ぶ。
【メモ】
◇香りの高さ:穏 ・・★・・ 華
◇味の濃淡さ:淡 ・★・・・ 濃
◇甘辛の印象:辛 ・★・・・ 甘
◇含み香:メロンのような吟醸香
柔らかい香りと淡麗で辛口な味わい。最高の美酒。
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