霧筑波 吟醸 瓶燗火入れ(浦里酒造・つくば市)
先入観ってのは怖いもんで。
大切なことを見逃すときってのは。
思い込みが、さ。
目を曇らせるんだ。
秋口ぐらいからずっと。
安藤商店さんで酒談義になると。
決まって、師匠が。
霧筑波の吟醸の燗が旨い。
って、おっしゃるもんだから。
マジですか、それは意外だったな。
燗にして吞んだことないし、な。
いや、ホントにそれはそそられる!
って、いうわけで。
この2〜3ヶ月。
あー、霧筑波の吟醸を。
燗にして吞んでみたい、と。
結構せつに思っていた。
なにせ、ひやおろしシリーズを。
吞むのが忙しくて。
なかなかこの酒にたどり着かなかったが。
ひやおろしシーズンも過ぎ。
いよいよ徳利から猪口に。
温めた霧吟を注ぐことができた。
霧筑波吟醸は。
本生の、あの綺麗で柔らかな。
酒の味わいの印象が強く、て。
火入れでも。
その名残りを、だ。
俺の中で引き摺ってたもので。
基本冷酒で。
まー、冷やまでだろう、と。
勝手に決めつけてた。
だいたい、裏貼りにも。
冷やして御召し上がり下さい。
なんて書いてあるし(笑)
お師匠さんのお話を、だ。
聞いてなかったら。
多分、一生後悔するくらいの。
思い過ごしをしてた、な。
まだまだ修行が足りない。
もちろん、この酒は。
冷酒でも冷やでも完璧なんだけど。
燗上がりまでするとは思わなかった。
霧筑波って酒は。
あー淡麗辛口で旨い酒ね、なんつって。
あっさりと定義されがちだ、が。
実は、懐の深い奥行きのある酒だ。
呑めば呑むほどに新しい出会いがある、と。
改めて、燗にして、そう思う。
っていうか、分かってたつもりだった。
俺がいた、っつう(笑)
酒は燗、肴は刺身、酌は髱、だな。
ついでなら、燗につけてくれるのも。
髱なら申し分ないんだけど、も。
いかんせん、自前で燗にするのが。
我が家の戒律だからしょうがない。
そんでも。
霧筑波なら、手酌も悪くない。
安藤さんがおっしゃった通りだ、な。
本当は辛口な味わいなのに。
燗にすると。
香りが広がり甘さを官能させる。
この魔法が堪らないんだ。
華やかにフワッと香り。
気付けば、すっと淡麗な印象に変わる。
酒の味はもちろん刹那だが。
いつまでも心に残るんだ。
間違いなく。
四斗樽にして10000樽ぶん呑んでも。
呑み飽きないね。
さて、それはそうと。
そろそろクリスマスだから。
初搾り買ってこなきゃな。
【メモ】
◇香りの高さ:穏 ・・・★・ 華
◇味の濃淡さ:淡 ・★・・・ 濃
◇甘辛の印象:辛 ・・★・・ 甘
この酒、すごい。
ibazake 安藤商店で購入