家久長 醸撰(家久長本店・大子町)
家久長さんの。
霊水八溝呑んで、すっかり気に入って。
もういっちょ、家久長呑みたいな。
と、すかさず安藤酒店へ行く。
この酒は、普通酒ってやつで。
普通酒の定義って。
なんだかややこしいけど。
面倒臭いから、この際。
俺なりに普通酒を定義すると。
「普通に旨い酒」
家久長に関してはそう言い切れる。
もちろん、燗もいけるけど。
冷や呑み(常温)がいい。
決して呑み飽きない味わいがある。
淡麗で、やや辛口な酒。
ドライな印象はなく。
わりと、まろやか。
口当たりのよさがいい。
香りは穏やかで、障りのない呑み口。
さらりと水のように。
それでいて、きちんと旨味もある。
この味わいの、絶妙な塩梅。
しっかり造ってある酒だ。
大子のおっちゃんたちは。
多分、この酒で晩酌してるんだろう。
こういう酒って。
蔵の顔だから。
それこそ、出品酒並みに。
魂込めて造ってるんだろうな、と。
ちょっとでも味がぶれると。
すかさず、大子のおっちゃんたちが。
家久長が甘くなっちまった、と。
騒ぐに違いない。
俺は美食倶楽部の会員じゃないから。
普通酒だろうがなんだろうが。
ありがたく呑んでる。
この酒を。
純米酒しか受けつけない。
偏屈な海原雄山に呑ませたい。
海原先生が、この酒呑んだら。
キレるどころか、さ。
間違いなく笑い出して。
大子のおっちゃんたちと。
酒盛り始めると思うね。
海原雄山を唸らせるだけの。
旨さがある。
そんで、俺もその酒盛りに。
混じるんだ。
【メモ】
◇香りの高さ:穏 ★・・・・ 華
◇味の濃淡さ:淡 ★・・・・ 濃
◇甘辛の印象:辛 ・★・・・ 甘
◇含み香:落ち着きあるフレーバー
大子の癒し酒。この味わい、抜群にいい。
ibazake 安藤商店で購入