富久心 もろはく（椎名酒造・日立市）
１２月になり。
今年は暖冬だってねー、なんて。
確かに、朝晩の冷え込みが穏やかな。
そんな茨城ではあるが。
きちんと季節の便りってのは届く。
って、言っても。
季節の酒なんだけど。
師走と伴にやってくる酒が。
富久心を醸す椎名酒造のもろはくで。
これがたまらないんだ。
結局呑むことしか考えてない？
確かに（笑）
まー、そんなわけで。
１２月になったことだし。
もろはく買ってくっか。
なんつって、いつもの調子で。
先週の土曜に。
安藤酒店さんに行ってみたら。
ちょいと気が早かったらしく。
まだ置いてなくて。
月曜に入荷予定です、っていう話で。
本日、仕事をぱっと切り上げ。
定時と同時によーいドンで。
速攻で買ってきた、っつう。
このもろはくを呑まなけりゃ。
本気で年が越せない。
それは神社仏閣の大掃除だとか。
年末ジャンボ買うとか。
餅つきやら年越しそばと同じで。
恒例行事やら風物詩のレベルにある。
つまり、さ。
茨城県の県央県北地域では。
もろはくが文化になっている。
っていうと、なんか大げさだな。
うーん、茨酒の。
紅白歌合戦みたいなもん？
レコード大賞でもいいけど。
まー、いいや。
なんやら言葉に詰まると。
すぐ音楽の話を引っ張り出す（笑）
まー、ともかくもろはくは。
本醸造活性にごり、ってやつだが。
まぁ、そんじゃそこらのにごりとは。
ちと違う。
心奪われるような。
魔法がかけられている酒だ。
俺は条件反射のように、１２月になると。
もろはく呑みたくてソワソワしてくる。
大人だけど、ワクワクしちまう。
なんだろうね？
多分アルコール以上の依存性が。
このもろはくにはあるんだろう。
炭酸ガスを抜くために。
穴を開けた王冠から漂う。
芳醇な酒粕の香り。
この香りを嗅ぐたびに。
あー、１２月だな。
って、俺は感じる。
俺が小さい頃の話だけど。
１２月になるとばあさんあたりが。
酒粕使ってなんか料理してたんだよな。
そんで家の中に酒粕の香りが漂うんだ。
なに作ってたのかは覚えてないけど。
なにせ、子どもだから。
酒粕ものは食べなかったからさ（笑）
そういう記憶とも相まって。
尚更、俺の季節感を呼び起こしてくれる。
１２月は俺にとって。
特別な月で。
クリスマスやらなんだかんだとあるけれど。
なにせ誕生月だから。
悪いけど、どの月より格別なんだ。
俺の誕生日とは無関係だけど。
クリスマスやら年の瀬やらで。
街が活気づく。
なんとなく浮かれた感じや。
白い息を吐きながら。
せわしいながらも。
世の中がうまく回ってる感じも好きだ。
そんな季節に出荷される酒も、また。
格別なものになるんだ。
今年のもろはくも旨いねー。
このとろとろ感が堪らない。
飲むヨーグルトなんかより。
遥かにクリーミーな感じ。
けど、ものすごく。
呑み口はスッキリしている。
なんていうか、超上品などぶろく。
なんだよな。
もちろんどぶろくとは違って。
粗漉しではあるが搾ってはある。
どぶろく出したら。
間違いなくこんな味になるだろうな。
奴らは椎名酒造と比べ倍以上の。
プライスをつけるだろうが（笑）
【メモ】
◇香りの高さ：穏 ・・★・・ 華
◇味の濃淡さ：淡 ・・★・・ 濃
◇甘辛の印象：辛 ・★・・・ 甘
◇とろとろ感：★★★★★
◇しゅわしゅわ感：★
◇含み香：爽やかリンゴ＋甘酒風味
宇宙一好きなにごり酒。
ibazake 安藤商店で購入
